会場:北杜市考古資料館
〒409-1502 山梨県北杜市大泉町谷戸2414 tel. 0551-20-5505 yatojo-rekisikan@lagoon.ocn.ne.jp
会期:2020年7月18日(土)〜8月23日(日)
月曜・祝日の翌日休館
時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
主催・問合せ:北杜市郷土資料館 tel.0551-32-6498
縄文文化が花開いたここ八ヶ岳の麓。重厚かつ華やかな装飾の縄文土器。 素朴な作りの土偶。洗練された機能美の石器。この地にいた縄文人の造 形には驚かされます。現代、この地には多くの工芸作家が創作活動を行っ ています。かつての縄文人たちがこの大地から受けたさまざまなエネル、 ギーを、現代の工芸作家たちも感じていることでしょう。八ヶ岳の縄文 時代と現代を「ものづくり」を通じて結ぶ「21世紀の縄文人展」。縄文 人の造形から感じたインスピレーションを自身の作品に投影しています。 現代の工芸作家は、12年目を迎えた今夏も縄文人の感性に迫ります。
日本中、世界中の様相を一変させてしまった新型コロナウィルス。 ウィルスは私たちの体をむしばむだけでなく、不安や偏見、差別といったも のを感染させています。 縄文時代中期に繁栄を誇った中部高地や西関東において、後期になると遺跡 の数が大きく減ります。その背景に寒冷化などの要因があったと考えられて いますが、インフルエンザウィルスの大流行による人口の減少があったので ないかと考える研究者もいます。 この説が正しいかどうかは分かりません。しかし縄文人もウィルスに感染す ることはあったでしょうし、病気で亡くなることもありました。現代に生き る私たちでさえ、目に見えない脅威を前にしたとき、不安や恐れを抱きます。 今のような科学技術や医学の知識を持たない縄文人たちは、目に見えないも のへの畏怖を安穏への「祈り」へと昇華させていったに違いありません。 今改めて、縄文人が遺したものは、単に道具として作られたものでもなければ、 芸術作品として作られたものでもなく、一つ一つに祈りが込められたものだ と感じます。ここに縄文文化の大きな特質があるのではないでしょうか。 一日も早いコロナウィルスの終息への祈りを込め作り上げた私たちの作品をご覧ください。
※昨年まで毎年実施されておりましたギャラリートークと金生 遺跡ライブは、今年は新型コロナウイルス感染状況に鑑み取り、 やめとなりました。
宇々地(うーじ)
1993年より古代土笛の制作と演奏活動と共に縄文へ の探求が始まる。2009年に北杜市に拠点を構え八ヶ 岳での活動を始める。2012年より縄文人展に参加し インスタレーション作品の展示と金生遺跡での奉納 演奏を行う。今もなお息づく縄文の鼓動に耳を傾け、 その音との共振を試みている。 子供たちの為の「八ヶ岳まあるい学校」を主宰
縄文をテーマに作品を作る事。 それは縄文人との対話の始まりであり自分の中に ある縄文を呼び起こす旅のようでもある。 どんな作品に辿り着くのか? 期待しながら一歩踏 み出す。
なが山 房子
縄文葡萄があったとさ。 小さな一房みんなでいわって食べたとさ。 縄文桃もあったとさ。 とてつもなくでっかい桃だとさ。 どんぶるこ、ドドぶるこ!
小野 理恵
縄文の人々は病や障がいに対し、いかに向き合った のだろうか。 思い切り恐怖しただろう。差別はどうか。在ったか もしれない。縄文人なりの医学を駆使しただろう。 そして、懸命に祈っただろう。全て自然の営みとし て。という現代人である私の想像を、縄文人が笑 うなら嬉しい。
荒木 イチオ
ヒーリングドロップ、縄文人の滴へのまなざし を追体験してみたくなりました。不思議への気 持ちは、現代人より遥かに優れていたとおもい ます。縄文人が生活していた、自然が近い、森 羅万象の魑魅魍魎とした現象の中のささやかな 結晶が、滴となって目の前に現れた時、不思議 への世界に引き込ませたに違いありません。そ んな海を見つめるまなざしを探ってみました。
「縄目の美」と「風化の美」 私は様々な素材で新しい造形の可能性を探っています。縄文 土器には縄文人の「遊びゴコロ」を感じます。この「縄目の美」、 多分、縄そのもので作った生活道具も色々あったのだろうと 想像できます。縄文時代が生み出した縄、現代の縄で私に何 ができるか?私なりの「遊びゴコロ」も楽しんでください。 また、縄文時代の「木」の加工品も腐敗して残っていませんが、 多分、創造力にあふれた素晴らしい物があったに違いありま せん、ただ、「木」の「風化の途中」を想像した時、木目が かもし出す美しい姿は今も縄文時代と同じではないかと思い ながら「現代風」に表現してみました。 http://www.design-subaru.com/
Naho Ukegawa
かわりゆくものかわらないもの うけつがれゆくもの失ってゆくもの 失ってもなお残る息吹 地・山・空・風・音・木・人・祈・魂 縄文の記憶は この私にどんな絵を描かせるのだろう この今というときに
毎年夏、縄文人展に参加させていただき私自身 の成長と一万年もの平和な生活にタイムスリッ プさせられる時を持たせてくださり感謝いたし ます。 今年も縄文人の生活をテーマに製作してみまし た。
伊藤 和智 / 石あるく
地元小淵沢生まれ。曽祖父の代から石屋を営 む。人の心をつなぐお墓づくりをめざしている。 縄文人展では、太古に生まれた石の持つ霊性 を感じながら、八ヶ岳の地で循環する命を表現したい。
一万年続いた、戦争のない平和な時代。人間 の本来の生き方ができていた、厳しくも豊かな時代。直接経験したわけでもないのに、縄 文の時代に強烈な郷愁を感じます。八ヶ岳の麓で、縄文人が見たのと同じ景色を見て暮らせる幸せをかみしめながら、この土地でしか 作れないものを作ろうと日々あがいています。
フライヤー原画・デザイン 吉野剛広(ぺこり庵)